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令和2年度施政方針

更新日:2020年3月3日

 

   熊本地震から間もなく4年の歳月が経過しようとしております。

 この間,震災からの復旧・復興を最優先かつ最重要課題と位置付け,市の総力を結集し取り組んでまいりました。

 その結果,道路等の公共土木施設の復旧は,おおむね完了し,応急仮設住宅等に入居された方々についても,住宅着工待ち等の理由でやむを得ず入居されている方を除き,ほとんどの方々がすまい再建を果たされました。

 さらに,震災により大きく傷つきました市指定有形文化財「船場橋」については,今月中に再建工事が完了いたします。また,復興のシンボルとなる新庁舎の建設につきましても,現在,実施設計が大詰めを迎え,令和2年度中の本体工事の着手に向けて準備を進めているところであります。

 改めて,これまでの道のりを振り返りますと,苦難の連続ではありましたが,市民の皆様,議員の皆様の多大なお力添えのもと,ようやくここまでたどり着くことができました。引き続き,復興の歩みを迅速かつ着実に進め,新庁舎完成となる令和4年度までに創造的復興を必ず成し遂げたいと考えております。

 市民の皆様には,新庁舎の工事期間中も,引き続き何かと御不便をおかけしますが,安全対策に万全を期してまいりますので,御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。

 昨年は,「平成」から「令和」という新しい時代が幕開けし,国民の誰もが平和で希望に満ちあふれた新時代を思い描かれたと思います。

 また,一億総活躍社会の実現に向けた働き方改革の推進や消費税増税,そして,幼児教育・保育の無償化など,国民生活や地域経済にとって大きな影響を及ぼす改革等が実施された年でもありました。

 その一方で,昨年も自然災害の猛威が全国各地を襲い,8月の九州北部の記録的大雨をはじめ,9月・10月には東日本を中心に大型台風の上陸や記録的大雨が相次ぎ,未曽有の被害をもたらしました。

 これらの災害により,被災された方々は今なお生活再建の見通しが立たず,応急仮設住宅などでの生活を余儀なくされておられます。改めて,被災地の一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。

 近年,我が国をはじめ,世界各地では,地球温暖化が原因とみられる異常気象により,想定を遥かに超える自然災害が頻発するなど,異常気象がもはや常態化しつつあり,本市においても,いつ大規模な災害が起きてもおかしくない状況にあります。

 また,最近の調査研究では,日奈久断層帯に依然としてひずみが蓄積していることが判明するなど,本県において再び大地震が起きるとも言われております。

 このようなことからも,災害は必ず起こるという危機意識を常に持ち,あらゆる事態を想定し,引き続き,防災・減災対策を強化するなど,災害に強いまちづくりに向けての取組を加速してまいります。

 また,災害が起こらないよう地球環境を守る取組も重要であります。今を生きる私たちは,次世代に対して,地球環境の保全と持続可能な社会を残していくことが重要な使命の一つでもあり,地球温暖化対策は,地球規模で取り組むべき喫緊の課題となっております。

 そこで,本市では,熊本市が持つ先進的なノウハウを熊本市周辺圏域で共有し,一つの自治体では実現できない施策の効果の波及等を実現するため,本市を含む熊本連携中枢都市圏の構成市町村の共同により,「熊本連携中枢都市圏地球温暖化対策実行計画」の策定を進めております。

 このような中,熊本県では,昨年12月の県議会において,「2050年熊本県内CO2排出実質ゼロ」を目指す宣言がなされました。

 これを受けまして,熊本連携中枢都市圏においても,1月開催の環境省シンポジウムにおいて,本市を含む当該都市圏の構成市町村の共同による「2050年温室効果ガス排出実質ゼロ」を目指す宣言を行ったところであります。

 この宣言により,本市におきましても,当該都市圏の市町村と共に,ぞれぞれの特性を活かし支え合うことで,より効果的に脱炭素化の機運の醸成や施策の実行を推進し,脱炭素社会の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

 また,昨年はスポーツ分野において,本市出身選手のめざましい活躍がありました。

 バレーボールの芥川愛加選手が,ワールドカップバレーボール女子大会で日本代表に選出され,チームの中心として活躍し,大相撲の正代関も九州場所において,3年ぶりの敢闘賞に輝いたほか,サッカーの植田直通選手も日本代表として日本の勝利に大きく貢献しました。

 特に正代関は,今年の1月場所でも,昨年の勢いのまま,最後まで息をのむ優勝争いを繰り広げ,本市だけでなく,県全体が歓喜の渦に包まれました。惜しくも優勝を逃しましたが,2場所連続,4度目の敢闘賞に輝きました。

 そのほかにも,様々な競技において小中学生のめざましい活躍もあり,市民の皆様に夢や希望,そして感動を与えてくれました。

 今年は,いよいよ「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」が開催されます。そのような中,本年5月6日には,同大会の開催に先立ち,本市仮設庁舎前をスタートに約2.2キロの聖火リレーが実施されます。

 この聖火リレーは,本市の子どもたちをはじめ,市民の皆様に夢や希望を与える絶好の機会と考えております。

 当日は,市を挙げて聖火リレーを盛り上げ,その炎に平和の思いを込めながら,熊本地震からの復興と本市の魅力を世界に向けて力強く発信していきたいと考えております。

 さて,令和2年度は,まちづくりの指針となる「第6次宇土市総合計画」が2年目を迎え,本市の将来像であります「復興から発展へ 未来へ“輝くふるさと”宇土」の実現に向け,「第2期宇土市まち・ひと・しごと創生総合戦略」がスタートします。

 この総合戦略は,今後5年間を計画期間とし,総合計画に掲げております重点戦略「みんなでつくる住み良い“輝くふるさと”『UTO』プロジェクト」を具体的に実現するため,「新しい人の流れをつくる」や「切れ目のない子育て支援」など,今後,若い世代や子育て世代の移住・定住の促進や関係人口の創出に向け,様々な施策を展開するものであります。

 本市においても,少子高齢化の進展や人口減少は避けては通れない喫緊の課題であり,何も対策を講じなければ近い将来,市政運営に大きな影響を及ぼすことが懸念されます。

 移住・定住の推進をはじめ,将来にわたって元気で魅力あるまちづくりを推進するためには,これまでにない大胆かつ柔軟な発想と行動力が求められております。

 そのためにも,これまで以上に議員の皆様と連携し,市民の皆様と対話をする機会を増やし,市民の皆様の声を大切にし,市政運営に取り組んでまいりたいと考えておりますので,どうか皆様の御理解と御協力を何とぞよろしくお願い申し上げます。

 次に,令和2年度予算案の概要について申し上げます。

 予算編成につきましては,社会保障費の増加や会計年度任用職員制度の導入など義務的経費が依然として増加している状況であり,大変厳しい作業となりました。

 しかしながら,既存事業の見直しや,復興基金,国県の補助金,市債等を活用し,震災直後の平成29年度に次ぐ規模となる,総額194億8,000万円の一般会計予算案を調製いたしました。

 それでは,令和2年度一般会計予算案の主な施策の概要について,宇土市総合計画の基本構想の内容に沿って,御説明申し上げます。

 1点目は,震災復興分野の「“輝く”未来〜震災からの復興〜」についてであります。

 まず,新庁舎の建設につきましては,現在,設計業務委託と既存杭の撤去工事を行っており,先ほども申し上げましたとおり,令和2年度から建設工事に取り掛かる予定としております。庁舎建設事業は,令和4年度までの3年間の継続事業で,令和2年度が約17億円,令和3年度が約25億円,令和4年度が約7億円で,合計約49億円の事業となります。

 さらに,庁舎と同じく震災の影響で解体され,復旧工事が入札不調で遅れておりました中央公民館につきましては,本年10月に開館を予定しておりますので,開館に合わせ備品等の整備を行ってまいります。

 また,これまで支援の対象外としておりました営農組合等の復興事業における地元分担金に対しての補助を行ってまいります。

 加えて,熊本県が中心となって実施しております熊本地震の記録や記憶を後世に伝える震災ミュージアム構想の一環として,本市で活躍していただく語り部の方々の育成に取り組んでまいります。

 次に,防災対策につきましては,第6次総合計画の中で,震災前よりも防災面を強化したまちづくりを進めることとしております。

 まず,防災拠点の整備としましては,五色山グラウンドを緊急避難場所として位置付け,避難者用のトイレなどを設置することを検討しております。この整備は,当初予算では,設計業務委託費を計上し,設計後に工事費を計上する予定としております。

 そのほか,轟地区に第3分団第3班の消防団詰所を,網津地区に防火水槽を整備することを予定しております。

 また,公共施設の耐震化についても継続して取り組んでまいります。令和2年度は,公営住宅や市民会館,保健センターなどの外壁点検を行うとともに,花園小学校,鶴城中学校,住吉中学校の校舎外壁改修工事を行い,外壁材の落下防止対策を講じてまいります。

 自然災害対策につきましては,市内23箇所のため池のハザードマップを作成するほか,国の国土強靭化事業を活用し,ため池や河川,農業水路等の整備を行ってまいります。

 また,年度内に,飯塚川に設置する河川監視カメラを設置しますが,令和2年度は網津川にも設置し,避難情報等の早期発信を行ってまいります。

 次に,2点目は,教育・文化分野の「“輝く”人〜学びのふるさとづくり〜」についてであります。

 学校教育につきましては,現在,市独自で行っております特別支援教育,少人数指導対策事業,適応指導教室,スクールサポーターなどの事業を令和2年度も継続して行ってまいります。

 市内全小中学校のICT整備につきましては,今年度から各教室でタブレットを使用できる環境を整備するとともに,学習用タブレットを計画的に配備し,設置台数の増加を図ってまいります。加えて,デジタル教科書や教職員の負担軽減のための校務支援システムを導入してまいります。

 また,教育環境の施設整備につきましては,市内全小中学校のトイレの洋式化を進めるほか,生徒が安心して部活動に励むことができるように,鶴城中学校グラウンドの防球ネットの改修を行ってまいります。

 次に,スポーツの振興につきましては,先ほども申し上げましたとおり,令和2年度は東京2020オリンピック・パラリンピックの聖火リレーに本市が選定されておりますので,聖火リレー後にecowin宇土アリーナ前でミニセレブレーションを開催する予定としております。また,本市出身の選手が出場する競技種目がある場合には,パブリックビューイングの開催も予定しております。

 文化財の保存・活用につきましては,シロアリの被害が出ております網田焼窯跡覆屋(おおいや)の改修を行います。また,市の重要遺跡であります轟貝塚につきましては,長年にわたって調査を進めているところであり,その調査結果を令和2年度中に報告書にまとめ,国の史跡指定を目指してまいります。

 次に,3点目は,保健・福祉・医療分野の「“輝く”絆〜安心のふるさとづくり〜」についてであります。

 まず,子育て支援につきましては,これまで実施してまいりました中学生までを対象とした乳幼児・こども医療費の助成,給食費の補助や,幼稚園の一時預かり事業などについて,令和2年度も継続して行ってまいります。

 そのほか,放課後児童クラブにつきましては,放課後児童支援員の処遇改善を行い,人材不足の解消を図ってまいります。

 高齢者支援につきましては,現在行っております電動アシスト自転車の購入助成の内容を変更し,新たに運転免許証の返納者に対する補助制度を創設いたします。

 また,障害者福祉につきましては,市独自の補助であります在宅介護手当や紙おむつ助成,福祉タクシー助成などの事業を継続するとともに,宇城圏域の市や町,事業所と連携しながら障がい者の日常生活,社会生活を支援してまいります。

 次に,4点目は,産業・経済分野の「“輝く”産業〜活力のふるさとづくり〜」についてであります。

 まず,農林業の振興につきましては,令和2年度に農業振興地域整備計画の見直しを行い,農業生産に必要な農地の確保と有効利用を図るとともに,農地,用排水路,排水機場などの整備を行い,耕作条件の向上を図ってまいります。

 また,有害鳥獣対策につきましては,これまでどおり農作地への侵入防止柵の設置補助や狩猟免許取得補助を継続するとともに,捕獲用のわなを増設するなど,農作物の被害を軽減してまいります。

 水産業の振興につきましては,長浜漁港,長部田漁港の浚渫工事を行うとともに,県と協力して覆砂工事や漁港の整備を行ってまいります。

 商工業の振興につきましては,今年度に創設しました創業支援事業補助金について,既に2件の実績を挙げ,さらに数件の相談を受けておりますので,令和2年度も継続して行ってまいります。

 また,利用者・施工業者双方から好評な住宅リフォーム助成事業につきましても,継続して行ってまいります。

 観光物産の振興につきましては,紫陽花マンドリンコンサートなどで賑わいをみせております住吉自然公園周辺に駐車場を整備します。

 また,熊本地震及びその後の6月豪雨で土砂が堆積しております宇土マリーナの浚渫工事を行ってまいります。

 次に,5点目は,生活環境・都市基盤分野の「“輝く”まち〜安全のふるさとづくり〜」についてであります。

 まず,道路・交通網の整備につきましては,市街地における基幹的な環状道路として昭和36年に都市計画決定された北段原線の未整備区間の整備を行います。令和2年度は測量設計を行い,その後,令和6年度にかけて整備を行う予定としております。これにより,沿線の住宅開発等,土地利用の促進を図ってまいりたいと考えております。

 また,長年の懸案事項でありました宇土駅西口の土鳩糞害(どばとふんがい)対策としましては,防鳥ネットの設置を行います。これまで忌避(きひ)剤などで対応してまいりましたが,1年程度で効果がなくなるため,今回,最も効果が高いと思われる防鳥ネットで対策を講じてまいります。

 交通安全対策につきましては,今年度と同じく,サテライト宇土からの寄附金などを活用し,通学路,カーブミラー,防護柵などの整備を行ってまいります。

 そのほか,全国的に問題となっております空家等の対策としましては,令和2年度に新たに市内全域の実態調査を行います。その後,空家等対策計画を策定し,本格的な対策を図ってまいりたいと考えております。

 次に,6点目は,住民協働・行財政運営についてであります。

 令和2年度は,第9次行財政改革大綱の策定年度となります。今後は社会保障費の増加に加え,震災に伴う公債費の増加や宇城広域連合のごみ処理施設の改修,消防署の建設など大規模事業が予定されており,これまで以上に行財政改革を進め,行政運営の効率化・円滑化に取り組む必要があると考えております。

 また,歳出面だけでなく,「ふるさと宇土応援寄附金」,いわゆる「ふるさと納税」や公共施設へのネーミングライツ制度の拡充,広告事業など歳入面でも積極的に取り組む必要があると考えております。

 最後に,「地区別のまちづくり」についてであります。

 本市の7つの地区は,地区ごとに歴史や文化などの地域資源,特性があり,抱えている課題も違います。そこで,第6次総合計画では,地区別に特性や住民の思い,まちづくりの目標,地区づくりのアクションを定めており,分野ごとの各種施策と併せて,地区の特性を活かすためのまちづくりを展開してまいりたいと考えております。

 以上,市政運営における基本的な考え方と主な施策について申し上げましたが,震災からの「創造的復興」と誰もが将来も宇土市に住み続けたいと思われるような「未来につながるまちづくり」の実現に向け,全力で取り組んでまいる所存でございます。

 議員の皆様をはじめ,市民の皆様には,なお一層の御理解と御協力をお願い申し上げ,私の施政方針といたします。

 

 


お問い合わせ

宇土市役所 総務部 総務課 行政係
電話番号:0964-22-1111 (内線:209・210)この記事に関するお問い合わせ


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