宇土の雨乞い大太鼓が国の重要有形民俗文化財に!

2017年03月03日

 平成29年3月3日に「宇土の雨乞い大太鼓附(つけたり)関連資料」が、国指定重要有形民俗文化財に決定しました。

 雨乞い大太鼓の国指定は日本初、また、熊本県においても国の重要有形民俗文化財が指定されるのは初めてのことです。


大太鼓


宇土の雨乞い大太鼓の特色

 宇土の雨乞い大太鼓は、雨乞いの共同祈願や農耕儀礼に用いられた巨大な太鼓がまとまって収集されているものとして、全国的にも類例のないものである。

 熊本県下では、大きな太鼓を打ち鳴らす形式の雨乞いがみられたが、戦後その多くが廃絶した。宇土の雨乞い大太鼓は、民俗行事に用いられた太鼓の形態やその使用法をはじめ、我が国の農耕儀礼や年中行事の地域差、変遷を知るうえでも、重要である。

宇土の雨乞い大太鼓の概要

 熊本県宇土市では、夏の干天時の雨乞いをはじめ、田植え後のサナブリや八朔の豊年祭りなどのときに、大きな太鼓を担ぎ出して叩き、降雨や豊作を祈願する行事が伝承されてきた。これらの行事は、戦後の社会変動の中で多くが失われたが、宇土市域には29基の雨乞い大太鼓が残されている。

 雨乞い大太鼓には、長胴(ながどう)太鼓とドラ太鼓の二種がある。いずれも、ケヤキの大木をくりぬいて作られた鋲(びょう)留め太鼓で、面径が1メートルを超えるものも多く、近世から明治初期にかけて製作されている。

 長胴太鼓は26基が収集されている。台車に載せたり、担い棒にくくり付けて担ぎ、鼓面を横から叩く形式で両側の縁に木星(きぼし)と呼ばれる多面体の飾りが付くのが、形態上の大きな特徴である。また、ドラ太鼓は、湾曲し装飾化した枠の付いた台車に吊り下げ、鼓面を上から叩く形式で3基が収集されている。

 これらの太鼓のほかに、太鼓の胴に掛けた油単(ゆたん)や太鼓のばち、担ぎ棒、太鼓とともに使用された鉦(かね)や笛、革の張替え時などに書かれた古記録もあり、関連資料として附にしている。

宇土の雨乞い大太鼓の所有者

 宇土市、飯塚区、猪白区、伊無田区、恵里区、笠岩区、上古閑区、上新開区、北段原区、栗崎区、

 小舟区、佐野区、下戸田区、城塚区、新川東区、立岡区、築籠区、椿原区、寺登区、堂園区、中登区、

 東中村区・西中村区、引の花区、平木区、辺田区・潟区、馬門区、松原区、宮庄区

 (宇土市大太鼓収蔵館保管)

員数

 雨乞い大太鼓 29基   関連資料 28点


宇土市大太鼓収蔵館 

【開館時間】午前9時~午後4時30分 ※毎週月曜休館



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担当部署:宇土市役所 教育委員会事務局 文化課 文化係

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