新庁舎建設工事 免震用装置について

2022年03月07日

 今回は、宇土市の新庁舎に設置される免震用装置について御紹介します。
 免震用装置とは、免震構造において地震による揺れを建物に伝えないための装置です。
 なお、新庁舎では、「市民の安心感」、「庁舎の安全性」、「被災時の機能確保」の観点から免震構造を採用しています。

新庁舎に設置する免震用装置の種類

  新庁舎では、下図のとおり4種類の免震用装置を合計60基設置します。
免震用装置配置図


免震用装置1 天然ゴム系積層ゴム支承(17基) 

 地震時には水平方向に軟らかく変形することで、建物への地震力の伝達を軽減する重要な部材です。構造はゴムと中間鋼板を交互に積層して連結鋼板でサンドイッチし、加硫接着されています。
 ※加硫接着とは、「ゴムを成形する工程」と「異素材をゴムに接着する工程」を同時に行うことです。

免震用装置2 鉛プラグ入り積層ゴム支承(16基)

 天然積層ゴムと、エネルギー吸収機能(ダンパー)としての鉛プラグを一体化した免震装置になります。
 鉛プラグを一体化することで、積層ゴムの変形にともなって、鉛プラグが塑性変形をおこし、地震エネルギーを吸収するとともに、振動を速やかに減衰します。
 また、一定の力が加わるまでは、鉛プラグの高い剛性で建物を固定するので、暴風などによる揺れを防ぎます。
 ※塑性変形とは、物体に力を加えると変形し、その力を取り除いても元の形にもどらない変形のことです。

免震用装置3 弾性すべり支承(21基)

 天然積層ゴムに滑り材を取り付けた免震装置になります。
 小振幅時は、通常の天然積層ゴムと同様の免震効果を示し、大振幅時には、滑り材により滑りをおこし、大型の免震装置と同等の免震性能を発揮します。 

免震用装置4 減衰こま(増幅機構付き減衰装置)(6基)

 減衰こまは、産業機械用として普及しているボールネジを利用した増幅部と回転筒を内包し、間隙に粘性体を充填した減衰部とで構成される減衰装置になります。
 建物の揺れをボールネジによって速度を増幅した回転運動に変換し、粘性体を充填した減衰部の外筒と回転体との間で生じる粘性抵抗により揺れのエネルギーを大きく減衰します。

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