新型コロナウイルス感染拡大に伴う活動自粛によるフレイル(虚弱)に注意が必要です
新型コロナウイルス感染拡大により、通いの場への参加や友人との会食、旅行、趣味活動など様々な活動を自粛しなければならない状況が続いています。特に、高齢者や基礎疾患がある方が新型コロナウイルスに感染した場合、重症化しやすいことが明らかになっており、3密(密閉、密集、密接)を避けるなどの感染対策をしっかり行い、感染をしない・広げないことが重要です。
しかし一方で、高齢者の方は動かないこと(生活不活発)による健康への影響も危惧されます。動かない時間が増えると、体力・筋力が落ちて疲れやすくなったり、食欲が落ちて栄養状態が低下したりします。それにより、さらに活動しにくくなるといった悪循環がおこり、心身の機能が低下した「フレイル(虚弱)」を招きます。多くの人がこの「フレイル(虚弱)」の段階を経て要介護の状態になると言われていますので、早めに予防・対策をとることが大切です。
フレイルを改善・予防し、元気に長生きするために、「栄養」「運動」「社会参加」の3つの柱を意識して、今の生活の中でできることを実践してください。以下、自宅でできる介護予防・健康づくりのポイントをご紹介します。
栄養(食生活・口腔機能)
バランスの良い食事とタンパク質をしっかりとり、「低栄養」を防ぎましょう。
加齢とともに食べる量が減ってしまいがちですが、栄養が不足すると免疫力も低下し様々な体の不調や病気を引き起こしやすくなります。
- 毎日3回の食事に、主食(ご飯、パン、麺など)、主菜(肉、魚、大豆製品など)、副菜(野菜、海藻類など)をそろえると栄養バランスがよくなり、タンパク質やエネルギーを十分にとることができます。外食や市販の総菜を利用する時も、このことを意識しましょう。
- 一度に食べる量が少ない方は、毎食のおかずに使うことが少ないものを間食でとりましょう。乳製品や果物などがお勧めです。
※食事療法の指示を受けている方は、主治医や栄養士にご相談ください。
お口の健康を保ちましょう
お口の健康は全身の健康につながっています。
- よく噛んで食べることは、消化を助けるだけでなく、認知症やうつの予防にもつながります。
- しっかり嚥下する(飲み込む)ことで、誤嚥性肺炎を予防することができます。
- 一人で歌の練習をしたり、早口言葉を言うなどは、お口周りの筋肉の運動につながります。
- おいしく食事を食べ続けられるよう、毎食後正しいブラッシングを行うとともに、定期的に歯科健診を受け、歯周病を防ぎましょう。
運動
運動が不足すると、筋肉や骨が衰え、体を動かすことがきつくなったり、転びやすくなって大きなけがにつながったりします。
- 「いつもより10分多く動く」ことを意識して、畑仕事や庭いじり、家事や片付けなどで積極的に体を動かしましょう。
- 自宅でできるラジオ体操やスクワットも効果的です。
- 人込みを避け、限られた人数で近所を散歩することもお勧めです。
社会参加
閉じこもりや孤食など、社会とのつながりを失うことが「フレイル」の最初の入口といわれています。会話の減少は、口腔機能や認知機能の低下にもつながります。
- 電話などで家族や友人とのおしゃべりを楽しみましょう。
- 買い物や移動など生活の困りごとが出てきたときにどうするか、事前に考えておきましょう。
- 適切な距離をとり、挨拶やマスクを着用しての短時間の会話など、地域とのつながりを保つことも大切です。困った時はお互い様で支えあいができるといいですね。外出が可能になったら、是非地域の集まりや通いの場にも参加されてください。
お役立ち情報
関連する周知啓発資料を掲載しました。こちらも参考に、健康の維持・増進に取り組んでください。
- 厚生労働省:新しい生活様式チェック表(PDF 約293KB)
- 国立長寿医療研究センター:オンライン「通いの場」アプリ(PDF 約4MB)
- 一般社団法人日本老年医学会:新型コロナウイルス感染症~高齢者として気を付けたいポイント~(PDF 約895KB)