現在、市民の皆様にご心配をおかけしております「有機フッ素化合物」の件につきまして報告させていただきます。
近年全国的に懸念されている状況を受けて、県からの最終処分場周辺の調査の要請により、宇城広域連合が管理する松山最終処分場の監視井戸を調査したところ、暫定指針値の1リットル当たり50ナノグラムを超える190ナノグラムの有機フッ素化合物が検出されました。
これを受けまして、熊本県等と共同で、井戸から半径500mの範囲内にある飲用井戸を調査しましたところ、処分場がある五色山の東側に位置する宇土市内の隣接する2か所の井戸が暫定指針値を超えておりました。
さらにこの井戸を中心として半径500mの範囲の井戸を追加調査しましたところ、宇土市内で2か所、宇城市内で7か所の井戸から有機フッ素化合物が検出されました。この井戸は最初の調査で検出された井戸の至近に当たる場所にあります。
ここまでの調査を受けて熊本県は、松山最終処分場監視井戸で検出された物質と他の井戸から検出された物質に組成的な違いがある点、松山最終処分場監視井戸の濃度が他の井戸よりも高くない(宇城市内の2か所の井戸よりも低い)点から、松山最終処分場が汚染源とは考えにくいという見解を示しております。
県においては、宇城市内で新たに検出された井戸を中心に半径500mの範囲の追加調査を行いましたが、その範囲内には宇土市内の井戸は含まれていません。
これらを受けまして、宇土市において松山最終処分場がある五色山の北側と西側及び南西側の井戸3か所の独自調査を行いました。
その結果、全ての井戸において有機フッ素化合物は検出されず、安全性を確認しております。
現在、宇土市内で暫定指針値を超えた計4か所の井戸の所有者に対して飲用水の提供を行っています。
また、この4か所の井戸は上水道エリアに含まれていないことから、当面の措置としまして有機フッ素化合物を除去できる浄水器の貸し出しの準備を進めており、将来的には上水道の整備についても検討したいと考えております。
なお、宇土市の上水道については市内全域20か所の水源の調査を終えており、全ての水源において暫定目標値の1リットル当たり50ナノグラムを超える有機フッ素化合物は検出されておらず、安全性を確認しております。また環境交通課において、花園地区2か所を含む市内全域の民間井戸14か所を監視対象としておりますが、こちらにつきましても最新の令和6年の調査では、暫定指針値の超過はなく安全性を確認しております。
今後も熊本県、宇城広域連合、宇城市と連携して原因究明を進めますとともに、暫定指針値を超える有機フッ素化合物が検出された井戸をお使いの世帯に寄り添った対応を進めてまいります。
以上、報告とさせていただきます。
令和7年2月28日
宇土市長 元松 茂樹