友好交流協定締結「湯德章弁護士が結んだ台南市と宇城地域の友情」
宇土市長を訪問団長とし、宇城地域(宇土市・宇城市・美里町)の行政、議会、教育委員会と宇城地域振興局、宇土市商工会で構成する訪問団が、令和7年3月12日(水曜)から14日(金曜)にかけて台湾を訪問しました。
訪問2日目となる3月13日(木曜)は、宇土市出身の父を持ち、台南市で英雄とされている湯德章(日本名坂井徳章)弁護士の命日。その日に合わせて、台南市と宇城地域が、友好交流協定を締結しました。
宇土市が、国外の地域と友好交流協定を結ぶのは、今回が初めてです。台南市にとっても、1対1の都市交流の枠組みを超えて、3つの市町から成る地域と友好交流協定を結ぶのは、初の試みとなります。
これから、観光、経済、文化、教育など幅広い分野で交流を進めていきます。
締結式では、黄偉哲台南市長、元松茂樹宇土市長、天川竜治宇城市副市長、上田泰弘美里町長が、協定書に署名し、記念品を交換。
元松市長は、「昨年3月13日の『台南市正義と勇気の紀念日』に、宇城地域訪問団として初めて台南市を訪れ、その際に、今後双方の友好交流を推進するため鋭意努力するとお約束しました。それからわずか1年という短期間で、台南市の皆様の御配慮により、本日、友好交流協定を締結できたことを大変嬉しく思います。」と感謝の意を表しました。そして「今後は、宇城地域が一体となって、観光や経済などの多様な魅力を活かし、友好交流に尽力します。」と述べました。
また、黄市長からは、「湯徳章弁護士は台南市が誇る優れた人物であり、台湾の民主化にも多大な貢献を果たしました。現在、彼を通じて台南と日本の友情が結ばれています。この友情を次世代の若い学生たちに引き継いでいきたい。」と意欲を述べられ、「今後、学生たちによる学術やスポーツなどの国際的な交流活動をさらに奨励していきます。」と挨拶がありました。
湯德章紀念公園、湯德章故居紀念館
一団は、湯德章紀念公園で胸像に追悼の献花をしました。その後、台南市の黄市長と一緒に、再開館した湯德章故居紀念館(湯德章弁護士の旧宅)を訪れて、親族や支援団体と交流し、湯德章弁護士の生涯や功績について学びました。
湯德章弁護士は、1907年、宇土市出身の父と台南市出身の母の間に生まれ、東京で法律を学び、台南市に戻って弁護士になりました。1947年の228事件(当時の国民党政権が市民の抗議活動を武力で弾圧)発生後は、台南市の治安維持に努めて、決起を図っていた市民に思いとどまるよう説得。その後、軍に連行されて、湯德章紀念公園で銃殺されました。拷問を受けても決起を図った市民の名前を明かさず、身をていして多くの命を救ったとされています。
湯德章弁護士の母の故郷、台南市南化國民中学校
教育委員会の代表が、今年2月に住吉中学校とオンライン交流を行った、南化國民中学校を訪問し、生徒から太鼓と獅子舞の歓迎を受けました。その後、学校内を見学して、今後の交流について意見交換しました。
議会代表が台南市議会議長と意見交換
台南市議会の邱莉莉議長から各市町の議会へ記念品の贈呈があり、これからの日台友好交流の方向性について意見交換を行い、お互いの思いを確認し、大変有意義なものとなりました。
日本台湾交流協会高雄事務所(高雄市)、肥後銀行台北駐在員事務所(台北市)
この他、訪問初日の3月12日(水曜)は、日本台湾交流協会高雄事務所の奧正史所長を表敬訪問。翌日の13日(木曜)に台南市と宇城地域が友好交流協定を結ぶことを報告すると、奥所長から「宇城地域の発展のため、高雄事務所も引き続き支援してきたい」と激励を受けました。
また、訪問最終日の3月14日(金曜)には、肥後銀行台北駐在員事務所を訪問し、台湾の経済状況の説明を受けた後、意見交換、情報収集を行いました。
台南市の情報
・人口約186万人(2024年時点)
・台南市は,400年の歴史を持つ台湾で最も古い都市で「台湾発祥の地」とも言われています。多くの名所や旧跡が保存されており、長い歴史と伝統文化が調和した古都です。
・また,産業面では,台湾一の耕作面積を誇る農業以外にも,台湾南部における産業と科学技術発展の中心地ともなっています。
・台南市政府 https://www.tainan.gov.tw//Default.aspx
・台南市政府観光旅遊局 https://www.twtainan.net/ja/