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元樹だより 平成29年11月 

2017年11月01日

市長写真(元樹だより平成29年1月~) 10月下旬、養殖海苔の種付けが開始されました。赤や緑といった色とりどりの海苔網が海面を彩る風景はなんとも美しく秋の風物詩と言えます。この光景を見ると季節がまためぐって来たことを実感すると共に、本市の特産品でもある美味しい海苔が今年も無事に育ってくれますようにと祈るような気持ちになります。

 この海苔の養殖が始まったのは江戸時代ですが、昭和23年までは海苔の夏の生態が不明であり、種付けも海苔の種がありそうな場所に種付けにいくという不確かなものであったようです。そのため、海苔の生産量は年によって大きな差があったことから、運任せの「運草(うんぐさ)」と呼ばれていたそうです。

 しかし、昭和24年、海苔の胞子が春先から秋口まで貝殻の中に潜り込み、黒い糸のような状態(糸状体)となって夏を越すことをイギリスの海藻学者ドゥルー女史が発見。この大発見により、運任せの天然採苗から、現在の海苔の糸状体を使った人工採苗へ変化し、安定生産へとつながったと言われています。

 このドゥルー女史の功績を永遠に称えようと1963年海苔漁民の手によって有明海を一望できる住吉自然公園に記念碑が建てられており、毎年4月14日に県内外から多くの海苔養殖関係者が集まり、盛大な感謝祭「ドゥルー祭」が開催されています。私も毎年、参加させていただいておりますが、日本の海苔養殖業に大きな進歩をもたらしたドゥルー女史の偉大な功績に感謝の念がたえません。

 昨年度は熊本地震や集中豪雨による漁業関係の被害も多数発生し、海苔の生育も大変心配されましたが、全国的に生産量が少なかった中で、本市においては、例年以上に海苔の単価が上昇し、生産枚数もある程度確保できたことから過去最高の売上額でした。

 海苔はタンパク質、カルシウム、ビタミン、ミネラル、食物繊維など多くの栄養素を含んでおり、海の野菜とも言われています。海苔を使った加工品として佃煮やふりかけなど多くの製品があります。ぜひご家庭でもこの栄養豊富で美味しい地元の海苔をたくさん召し上がっていただきたいと思います。

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