船場蔵屋敷にて熊本近代文学館出前講座開催!

2014年12月26日

船場蔵屋敷にて熊本近代文学館出前講座開催!

    平成26年12月6日(土)、船場蔵屋敷(石小路町)において熊本近代文学館の出前講座が開催されました。

    第1部は、宇土出身の俳人篠原温亭について「民友社文学と俳人篠原温亭」というテーマで元熊本大学教授の中村青史さんが、続いて第2部では、旧制宇土中・宇土高出身の小説家光岡明について「光岡明と宇土の風土」というテーマで熊本近代文学館長の井上智重さんが講演をされました。

   会場では篠原温亭ゆかりの品も展示されており、幕間には珈琲も振る舞われ、蔵屋敷の趣のある雰囲気の中、参加者もリラックスして聴講していました。

 


 

熊本近代文学館出前講座 1枚目の写真熊本近代文学館出前講座 2枚目の写真 
 
篠原温亭(1872~1926)

篠原温亭の画像

 本名英樹。明治5年(1872)宇土町一里口で漢学塾を開いていた父直の長男として生まれた。祖父は、宇土細川藩藩校の「温知館」句読師と知られた学問の家柄だった。家督を継ぎ、明治22年(1889)に一里小路から門内へ転居している。

   京都本願寺文学寮に学び、のち上京して国民新聞社に入社。同郷の人見一太郎の紹介によるという。以来30余年、国民新聞社員として活躍。後には、同社勧業部でダリアやメロンの栽培・普及に努めた。

   温厚寡黙、世に求めず人と争わず。謡曲を嗜み書技に秀でた。著作として小説「不知火」「二年越」等があり、晩年文集『その後』を出版。俳句は明治30年頃から始まり、高浜虚子や正岡子規に師事した。大正11年(1922)雑誌『土上』を発行。

    大正15年(1926)没。享年55。没後、『温亭句集』が出版され、総句数の半数にあたる2,032句が収録されている。

光岡 明(1932~2004)

光岡 明の画像

 昭和7年(1932)、熊本市生まれ。職業軍人だった父の職務で各地を転居、敗戦直前に旧満州から母方の親戚を頼って宇土町へ引き揚げ、旧制宇土中学、宇土高校と多感な思春期を宇土で過ごした。熊本大学法学部を卒業、熊本日日新聞社へ入社。文化部長、編集局次長、熊日情報文化センター社長を務めた後、昭和60年(1985)、新設の熊本近代文学館初代館長に就任、熊本の文学振興に尽力した。

   また、新聞社時代から小説を書きはじめ、昭和50年代に「いづくの蟹」「奥義」「湿舌」「草と草との距離」で芥川賞候補にノミネートされ、昭和57年(1982)、初の長編小説「機雷」で直木賞を受賞した。平成16年(2004)没。享年72。

 


 

 

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