大王のひつぎ実験航海事業
航海日誌
8月18日(予備日のため鞆の浦に停泊)
今日は荒天予備日で休養。34日間の航海中、予備日は2日~4日おきに計11日。昨年多かった台風の襲来を想定し、その時に休養しようと考えてのことだが、「古代船を漕ぐ」という船団の肉体疲労を考えれば、台風がなくてもこの数の休養日は必要だったと今にして思う。
鞆の浦は万葉にも歌われ、近世の朝鮮通信使が「日東第一景勝」とたたえたほどいい所だ。港の石造りの常夜燈や雁木(階段状岸壁)、商人屋敷に蔵と江戸時代の建物がそのまま残っている。瀬戸内海の静かな海とマッチし、これまでの寄港地の中では一番の風情だ。また、中国山地からの砂鉄を背景に、おそらく古代から続く「鞆鍛冶」が有名で、「海王」の船釘も藤田さんがここから取り寄せている。
さてのんびりしたいところだが、「制度疲労」がたまっている船団には休養日と言えども珍事、変事が起こる。いちいち紹介は出来ないが到着地・大阪まであと6日(予備日を入れると8日)の航海。気を引き締めて頑張ろう。