7月26日(9時40分・野母漁港出港、17時10分・三重港入港)

大王のひつぎ実験航海事業

航海日誌

7月26日(9時40分・野母漁港出港、17時10分・三重港入港)

 野母の漁協の話では、台風は東に行ったものの北風とうねりがでるという。昨日の経験では、船大工さん苦心の手斧削りの木蓋がついている「有明」(石棺蓋積載丸太船)は大丈夫だが、蓋がない「火の国」(身丸太船)はかぶった波が船内に入って水びたし。そこで、朝5時半から、みんなで日よけ用にたくさん持ってきたよしずを「火の国」の上に屋根型に積み、それに防水シートをかぶせて応急処置。「波風よいつでも来い」と意気込んで出港したが、やはりうねりは大きく、長崎港沖まで曳航隊形を強いられた。

 漕ぎ手が古代船「海王」に移乗できる静かなところを探して福田浦に入る。元気がいい水産大学校の学生たちが「待ってました」とばかり乗り込んで実験開始。実験航海隊形での速度は2.3~2.6ノットと24日の有明海でのデータと変わらず。静かな海ではこれが巡航速度と思っていいだろう。今はひなびた福田浦は16世紀にポルトガルとの貿易港として栄え、宣教師ルイス・フロイスの通信文にもたびたび登場するところ。樹齢500年の「海王」の原木が芽吹いたころの話だ。

 ところで「クラゲが多いなぁ」とのんびり見ていたら指揮船「紺碧」の発電機冷却用の海水吸入口にクラゲがつまってオーバーヒート。今日中の修理のため一路、三重港へ。いろいろあります……。

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