「知られざる宇土の名宝」展 出品作品
花鳥図屏風
作者
青井郷秀(きょうしゅう)
解説
筆者・青井郷秀は、矢野派の絵師で八代松井家の御用絵師甲斐良郷(1761~1829)に学び、八代松井家の絵師となりましたが、詳しい経歴は不明です。画風には江戸時代末期の矢野派の様式が明確に認められ、画技には確かなものがあります。
本図の向かって右隻には梅の古木にサザンカらしき花、外来のインコや文鳥を、左隻にはアオバトに似たとりやヤマガラなどの小鳥、背景の岩組には勢いよく流れる水、大きくうねる梅の古木、金砂子を蒔かずに白く塗り残したように大きな月、手前にはメダケを描くなどやや複雑な構成です。青井郷秀の代表作に数えて良いと思われます。