「知られざる宇土の名宝」展 出品作品
一行書「生涯一片青山」
【宇土市指定文化財】
作者
宇土細川藩5代藩主 細川興文(おきのり)【月翁(げつおう)】
解説
この一行書は、中国の十国南唐の第3代国主李煜(りいく、937~978)が詠んだ以下の詩を踏まえたものと思われます。青山とは墓地の意です。
李煜の詩 開元楽(六言絶句の形式)
心事数茎白髪 心事 数茎の白髪
生涯一片青山 生涯 一片の青山
空林有雪相待 空林 雪ありて 相待てど
古路無人独還 古路 人無くて 独り還る
意味
人生は山あり谷あり。喜びもあれば悲しみもある。 調子が良いときもあれば、何もかもがうまくいかないときもある。しかし、どんな人生を送ろうとも、最後は死して一基の墓に収まる。それが定めであるという意味が込められています。