第二部 夢の実現に向けて
第五回 現代によみがえる古代船
10月22日に、福岡市の志賀島で進水式が行われた、古代船「海王」ですが、地元宇土の人にもその雄姿を一目見ていただくために、さる10月31日に、来年行われる実験航海の出航地となる宇土マリーナで、お披露目式が開かれました。
志賀島での進水式にも駆けつけた、宇土雨乞い大太鼓保存会青年部の演奏で、お披露目式は始まりました。
同式にいたるまでの簡単な経過報告の後、田口信夫宇土市長・(社)熊本県青年塾の米谷正勝塾長が主催者あいさつ。
また、この日のために来宇した「海王」の製作者である藤田造船所藤田清人社長、現在マリーナに設置してある馬門石製石棺の製作者高濱英俊さんら、来賓の紹介がありました。その後、「海王」の命名者である宇土市在住の山木繁さん・宮本竜一さん(福岡市のの四反田さんは所用のため欠席)への記念品贈呈。
来年、大阪までの実験航海で、漕ぎ手の主力となる水産大学校(下関市)の紹介が、同校の下川伸也助教授から行われました。
そして、いよいよ「海王」のお披露目です。爆竹と太鼓の演奏を合図に、「海王」にかけられていた幕が引かれ、宇土の人たちの前に、古代船「海王」はその姿を現しました。太鼓が鳴り響く中、来客の方々は「海王」に近付いて記念撮影や見学を行い、お披露目式は盛況の中、終了しました。
その後「海王」は湾内へ下ろされ、希望者の人たちは係留された「海王」に乗船されました。また、水産大学校の学生と関係者有志により、湾内で漕行実験が行われ、最初は悪戦苦闘して漕いでいた素人の関係者有志の人たちも、最後には何とか息を合わせて進んでいきました。
午後からは「日本ぐるっと一周海交流事業」に参加した児童たちが乗船した後、「海王」は再び陸に上げられ、マリーナの敷地内に設置展示されました。今後、「海王」は再び宇土を離れ、水産大学校カッター部による漕行練習を積み重ね、来年の実験航海出航に備えます。「海王」が再び宇土の皆様にその雄姿を見せるのは来年春頃の予定です。
出航予定の来年夏には、にぎやかに出航式を行いますので、今回見ることができなかった人も、ぜひ宇土マリーナにお越し下さい。