第一回 継体大王のひつぎを復元

第二部 夢の実現に向けて

第一回 継体大王のひつぎを復元

復元した石棺 1枚目の写真

 実験航海に伴い復元した石棺は、今城塚古墳(大阪府高槻市)で平成10年1月に発見された馬門石製石棺をモデルにしています。今城塚古墳は6世紀前半に造られた巨大な前方後円墳(全長186m)で、西暦507~531年に在位した継体天皇の墓と考えられています。

 市文化振興課の髙木恭二さんは、その墳丘の一番高い所から見慣れたピンク色をした赤い石片を見つけました。その石片を分析用に持ち帰って鑑定したところ、馬門石製の石棺片であることが明らかになりました。1500年も前に造られた馬門石の石棺が、遥か800㎞も離れた継体天皇の墳墓から一つの石棺の破片となって現代に蘇ったのです。

2カ月で製作

復元した石棺 2枚目の写真

 石棺の復元図は実験航海の構成団体・石棺文化研究会のメンバーが何度も協議して作成、石棺の製作は不知火町出身の彫刻家・高濱英俊さんが担当しました。

 高濱さんは東京を中心に活躍中で、以前、本市の町おこし事業で馬門石の彫刻を造っていただいた経緯があります。6月初旬から7月末の約2ヶ月間かけて石棺の製作に携わっていただきました。高濱さんによれば「馬門石は比較的軟らかいが、硬さにムラがあり加工は一筋縄ではいかなかった」そうで、石を彫って形が徐々に現れてくるにつれて、大きな喜びを感じたということです。

 さる7月24日、馬門地区で石棺・修羅完成、引き出しセレモニーが、馬門石で造られた赤い鳥居がある大歳神社前で行われました。地元住民・住吉中・網津小・網津保育園など約300名が参加し、石棺、修羅合わせた総重量約9tを皆で力を合わせ曳っりました。太古さながらの陸路輸送を体感し、石棺と修羅が数メートル動いたときには大きな歓声があがりました。次回は「古代の運搬具"修羅"の復元に挑戦」です。


 


 

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