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解説: マルメロはおつぼつ・丸メラともいい,秋になると洋梨に似た黄色い果実をつけます。西洋カリンともいい,通常砂糖漬けとして食用にし,熊本藩の銘菓「加世以多(かせいた)」の原料に使われています。
江戸時代,銭塘(ぜんども)手永走潟村(現宇土市走潟町)の緑川の河岸段丘上にかなりの範囲にわたって植えられていたことが天保6年(1835)頃に描かれた「緑川絵図」によって知ることができます。献上用の藩御用としてマルメロが最も盛んに栽培されたのが「緑川絵図」に描かれたこの頃であったと思われます。
19世紀以降,走潟でのマルメロはその後も栽培され続け,戦後しばらくまでは走潟に植わっていましたが,最近の聞き取り調査によれば,戦後ブドウ栽培が盛んになって以降,走潟のマルメロの木は切り取られ,その場所はブドウ畑に変わってしまいましたが,今ではそれもなくなっています。
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