向野田古墳出土品 むこうのだこふんしゅつどひん
区分
国指定重要文化財(昭和54.6.6)


解説
古墳時代前期後半の前方後円墳である向野田古墳を調査した結果、重要な遺物が多数出土しました。
後円部中央には、舟形石棺を納める竪穴式石室1基が存在します。刳抜(くりぬき)式の石棺の長さは395㎝で、中から30代後半~40代の女性の人骨が発見されました。
地域首長墓とみられる前方後円墳の埋葬施設から、完全なかたちで人骨が検出されることは非常に珍しく、貴重な発見です。
石棺内からは鏡3面のほか、碧玉製車輪石という腕輪やヒスイ製の勾玉、ガラス小玉などが出土し、石棺外には鉄刀や鉄剣、ヤリ、鉄斧などの武器類が置かれていました。これらは女性被葬者と副葬品の内容及びその配置の関係を考察するうえで重要です。
出土遺物は、「肥後向野田古墳出土品」の名称で国の重要文化財に指定され、宇土市立図書館1階の郷土資料室に展示されています。
関連
所在地
より大きな地図でデジタルミュージアムを表示