子どもをほめるということ。

2018年09月05日

毎日,いろんな子どもと話していると,本校にも「自己肯定感」の低い子が沢山いることを感じます。「どうせ,おれは…。」「私は,頭悪いもん!」「姉ちゃんとは違うもん!」「しても,できんもん!」「ママはほめてくれん。」「勉強のことばかり,言わす!」「いつも,おこられるのはオレだん!」…。

いろんな本音(ホンネ)を言ってくれます。おうちで認められてないなぁと感じます。こんな自己肯定感の低い子に,「がんばれ!」とどんなに言っても,がんばろうという気持ちにはなれません。人ががんばろうという気持ちになるためには,まずその子の気持ちに共感してくれる存在が身近にいることが前提です。「分かってくれている人」のことです。家庭では保護者。学校では担任の先生などが「分かってくれている人」にならなければいけません。

いつも,大人の言うこととは違う行動をとってしまう子どもに正論ばかりをぶつけても,何の意味もありません。その子の行動を変えることはできません。まずは,その子のホンネをじっくり聴くことが必要です。ホンネをはきだすことができれば,その子の気持ちは随分スッキリするはずです。

ホンネを聴き出したあとはどうするか?例えば,「学校に行きたくなーい」と毎日言ってる子のホンネが,お母さんと離れたくないということだったとします。お母さんにとっては,我が子からそんなに愛されているのですから喜ばなくてはいけません。でも,お母さんとしては学校に行ってもらわなくては困るわけでしょうから,ホンネをまずはしっかりと受け止め,我が子の現状を受け入れて右往左往せずに開き直ることが必要ですね。

この時点で,子どもはお母さんにホンネを言って受け止めてもらえたという安心感がありますから,これまでの気持ちとは違って,いい方向に向いてきているはずです。

では,次に子どもと折り合いをつけます。「お母さんのこと,そんなに好きと思ってくれてて嬉しいよ。お母さんもあなたのことが大好きだよ。だから,あなたのことをいつも考えているのよ。学校に行きたくないといってる気持ちは本当によく分かった。無理しないでいいと思う。けどね,お母さんの気持ちは少しでも学校にいって欲しいと思ってるの。分かってくれる?」ここまで話して,子どもが理解を示してくれそうだったら続けます。「じゃ,一緒に今後のこと,考えようか。」大事なのは共に悩み,考えるということです。学校に行く行かないをお母さんが決めるのではないということです。あくまでも子どもが決めること。自己決定が大事です。

これから先の話で大事なのは,子どもが「今できること」から始めるということです。ちょっと頑張ればできそうだのレベルで考えさせることです。例えば,「朝から登校して1時間居るのはどう?」とか低いハードルを提案することです。学校でも,子どもが登校してきたら,それだけでうれしいですし,いつでも大歓迎です。「きつくなったら,帰っていいよ。」と言っておきます。すると,安心して学校にも来れます。

子どもがその時点でできることについて自己決定し,やってみようという気持ちになれば,そのことを実行している子どもを見守り,すこしでもできたら,認めてほめることです。それで自己肯定感は少しずつ上がってきます。

しばらくして,今できることが増えてきたかなというタイミングで,ハードルを少しあげる提案をしてみることです。「毎日1時間頑張っているね。また少しできることあるかなぁ?」と言ったとき,「だったら2時間居てみようかな。」と自分でハードルを上げることを決めることができるかもしれませんね。

これまでの話をまとめると,子どものホンネを聴く,ホンネを受け止める,共に悩み考えできることを自己決定させる,できたことを認めほめる,すこしハードルを上げる提案をする,できたことを認めほめる。ということです。

実際に本校でも4月当初登校できてなかったお子さんが,毎日できることに頑張っています。この考え方は,いろんな場面で使えます。是非,やってみてください。

また,いろんなご心配,お悩みなどありましたら気軽に学校に相談してくださいね。いつでもお待ちしています。保護者の皆様と共に悩み考えます。 

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