元樹だより　平成28年1月　「新年のあいさつ」

　あけましておめでとうございます。

市民の皆さまにおかれましては、輝かしい新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。

　昨年を振り返りますと国においては、集団的自衛権の行使を限定的に可能にする安保保障関連法の成立や環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の大筋合意。また、我が国の構造的な問題である少子高齢化に真正面から挑み、「希望を生み出す強い経済」「夢をつむぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」の『新・三本の矢』の実現を目的とする「一億総活躍社会」に向けた議論が始まるなど、山積する政治・経済の諸問題について、様々な動きがあった年でした。

　そのような中、回復の兆しが見えた景気も、その恩恵を地方が十分実感できるところまでは届かず、さらに自然災害が多発するなど新たな課題に直面することになりました。

　本市においても、局地的な集中豪雨や台風などの自然災害の恐ろしさを再認識した年でした。特に8月に強い勢力で熊本に上陸した台風15号は、長期間に及び停電・断水により市民生活に大きな影響があったほか、野菜などの農作物はもとより農業施設に深刻な被害が発生しました。

　また、この台風の影響で地蔵まつり2日目午後以降のイベントを全て中止したことは、非常に残念な結果となりました。

　一方で、明るい話題も相次ぎました。11月に行われた大相撲九州場所では、本市出身の正代関が見事に十両優勝を果たし、初場所で新入幕が決定しました。また、小中学生が各種スポーツ大会の全国大会や九州大会に駒を進め、強豪相手に素晴らしい成績を収めました。さらには、スーパーサイエンスハイスクールの研究発表会で、宇土中・高校科学部が最高賞となる文部科学大臣賞を受賞しました。

　このように市民の皆さまがそれぞれの力を磨き、発揮して優秀な結果へとつながっていることは、市としても大変誇らしいことであり、市の元気発信の原動力にもなっています。

　さて、昨年から本格的に開始した地方創生は、横並びの地方から脱却を図り、企画力の優れた地方を手厚く支援するものです。地域間の競争が求められる中で、国からの予算獲得には、本市の特色を生かした独自のまちづくりを進めていかなければなりません。そうした中、昨年は本市の人口の現状と将来の展望を提示する「宇土市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定しました。この総合戦略には、全国的に推進されている空き家バンク制度、子どもの医療費助成等の取組みに加え、健康に役立つ成分が含まれる「機能性野菜」を活用した農業振興や他に先駆けて導入した「小中一貫教育」等の本市独自の教育環境の整備について掲載し、本市の特色を出した内容となっています。

「まち・ひと・しごと創生」の実現に向けては、行政と市民の知恵と活力を結集することが重要です。そのためにも、昨年同様、「ふれあい座談会」や「市長と気軽にランチトーク」などを活用して、皆さまとの対話の機会を継続していきたと思います。

　また、本市が抱える重要課題の一つに市庁舎の老朽化が挙げられます。市庁舎は高い耐震性や安全性を確保し、ライフラインが途絶えた場合でも災害拠点として機能し続ける災害に強い建物でなければなりません。しかし、実状は耐震性能が極めて低く、建物の構造上耐震改修を行うと1階の大半が使えなくなるなど大きな問題を抱えています。そのため、新庁舎の早期建設に向けた取組みが急務と考えております。昨年は、学識経験者や各種団体代表者で構成される「宇土市庁舎建設検討委員会」を設置するなど新庁舎建設に向け第1歩を踏み出しました。今年も引き続き、市民の皆さまの想いを汲み取った災害に強く利便性が高い庁舎建設に向け検討を進めて参ります。

　本市は豊かな自然に囲まれた利便性の高い街です。こうした本市の魅力を最大限に活かして子どもから高齢の方まで皆が安心して豊かに暮らすことができる元気な宇土市を目指して、全力で諸々の施策に取り組んで参りますので、皆さまには更なる市政発展のため、相変わらぬご支援とご協力をお願い申し上げます。結びに、皆さまのご健勝とご多幸をお祈り申し上げ、新年のご挨拶といたします。

平成28年1月　宇土市長　元松　茂樹

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